2015.03.27更新

 

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投稿者: 紫牟田法律事務所

2015.03.26更新


今回は新入社員の方もご覧になると思いますので、基本的な知識について述べさせていただきます。

皆さん、今までの人生において何度か契約書にサインをしたことがあるのではないでしょうか。
そして、その時には「実印で押印してくださいね」と言われることが多かったのではないかと思います。
「同じ印鑑なのだから、三文判でもいいじゃないの」と思いましたか?

それとも、「三文判だと他の人だって印鑑を入手して押せるのだから、やはり実印でないとだめでしょ!」と思われましたか?


この実印を押す理由については、三文判のような印鑑を実印登録している方もいらっしゃいますので、必ずしも真似されないようにという理由だけで、片づけられることでもないのです。
では、なぜ実印を押すのかということを法的観点から説明します。


民事訴訟法第228条第4項に「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する」との規定があります。
本人が押した印鑑がある場合には、
その契約書はその本人が作成したものであること=契約書が真正に成立したものであることが推定されるということです。
このような推定がある場合、押印したと推定された方は、自分はその印鑑を押しておらず、他人がその契約書を作成したものだということを立証しなければならないことになります。
ここに、実印で押印する意義があるわけです。


例えば、AさんがBさんにお金を貸すときに、借用書を作成したとします。
しかし、BさんはAさんから借りたお金を返しませんでした。そこで、AさんはBさんに「お金を返して」と言いました。これに対し、Bさんは「いや、その借用書は自分が作成したものではない」と主張したとしましょう。
この場合、お金の返還を求めるAが①Bさんにお金を渡したことと②そのお金を返還する約束があったことを立証しなければなりません。

 

そして、この①と②の事実を立証するために、Bさんが作成した借用書を証拠とします。
借用書には、「金○円を受領し、これをいつまでに返還します」と記載されているでしょうから、Aさんは、Bさんがこの借用書を作成して①お金を受領したことと②返還の約束をしたことを立証することになります。
ここで、Bさんがこの借用書にBさんの印鑑を押印していたとしたら、前記の民事訴訟法の規定から、この借用書はBさんが作成したものと推定されることになります。
従って、お金の返還を求めているAさんは、借用書の印鑑がBさんのものであることさえ立証すれば①と②の事実が立証されることになり、Bさんに対しお金の返還を請求できることになります。
このような立証を容易にするために、契約書作成には実印での押印+実印の印鑑証明書が必要になるわけです。

 

AさんがBさんの実印の印鑑証明書を持っていれば、借用書に押印されたものがBさんの実印による押印であることが立証できますので、その借用書はBさんが作成したものと判断されます。
したがって、今度はBさんがその借用書を自分が作成していないことを立証しなければならなくなります。
以上のように、契約書を作成する際に実印で押印してもらうことで、義務を負担させようとする側は、相手方がその契約書を作成したことを立証する責任を容易にすることができます。
もし、皆さんが相手方に義務を負わせる形で契約を締結しようとする場合には、相手方には実印で押印してもらい、その実印の印鑑証明書をもらうことにしましょう。
仲が良いから三文判でよいよと安易な気持ちでいると、後で大変な苦労をするかもしれませんよ。

 

 

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